- 背中側の寝袋は、ほとんど働いていません。体重でぺしゃんこにつぶれて空気の層がなくなるからです。「顔は寒くないのに背中だけ冷たい」夜は、これが起きています。
- だからマットの「R値」を見ます。数字が大きいほど、地面の冷たさを止める力が強いという意味です。
- R値は重ねると足し算できます。R値2のマットにR値1の銀マットを重ねれば合計3。いま持っているものを捨てなくていいのがここのポイントです。
👇 このあと、「なぜ「下」なのか」から順に、3点を価格つきで紹介します。早見表も1つあります。後半には「お金をかけずにできること」もあります。
| R値 | 使える季節 |
|---|---|
| 1〜2 | 夏だけ(ホームセンターの薄い銀マットはだいたい1前後) |
| 2〜3 | 春と秋(10月ならここ) |
| 3〜5 | 晩秋から冬のはじめ |
| 5以上 | 真冬 |
こんにちは!
キャンプ歴は12年目になりましたが、まだまだ半人前のファミリーキャンパーのECoといいます!!
家族4人(妻、子供(長男:中学生、長女:小学生))、首都圏近郊のよくあるベッドタウンでマンション住まい。 趣味と生活スタイルがマッチしたエコなアウトドアライフを目標に、日々研究の毎日です 😄
寒いキャンプの夜、多くの人は寝袋を買い替えようとします。
でも、その前に見るところがあります。
寝袋の「下」です。
いい寝袋を買ったのに、それでも寒くて眠れない。
そんなとき、原因は寝袋ではなく、その下に敷いている薄いマットであることがよくあります。
この記事は、冬支度の1回目。
寝袋の下を見直すだけで、体感が何度も変わる話です。
なぜ「下」なのか

寝袋は、つぶれると効かない
寝袋が暖かいのは、中の綿やダウンがふくらんで空気をためているからです。
その空気が、体の熱を逃がさない層になります。
ところが、体の下になった部分は体重でぺしゃんこにつぶれます。
つぶれた寝袋には、空気の層がありません。
つまり、背中側の寝袋は、ほとんど働いていないということです。
地面は、熱をどんどん吸い取る
空気は熱を伝えにくいのですが、地面は熱をよく伝えます。
だから背中の熱は、地面へ流れっぱなしになります。
顔は寒くないのに背中だけ冷たい、という夜。
あれはこれが起きています。
マットの「R値」という数字

断熱の強さを表す数字です
キャンプマットには、R値という数字がついていることがあります。
数字が大きいほど、地面の冷たさを止める力が強いという意味です。
季節ごとの目安
- R値 1〜2:夏だけ
- R値 2〜3:春と秋(10月ならここ)
- R値 3〜5:晩秋から冬のはじめ
- R値 5以上:真冬
ホームセンターで売っている薄い銀マットは、だいたいR値1前後です。
夏はこれでよくても、10月の夜はきびしいということですね。
同じ寝袋の話を、こちらでも書いています。よかったらあわせてどうぞ!!


R値は、重ねると足し算できます
ここが大事なところです。
R値2のマットと、R値1の銀マットを重ねると、合計でR値3になります。
つまり、いま持っているものを捨てなくていい。
下に1枚足すだけで冬に届く、ということです。
👉 R値は、メーカーによって測り方が違うことがあります。いまは国際的な試験方法(ASTM F3340)が決まっていて、これに準拠したものは各社の数字をそのまま比べられます。表記のないマットは、厚みと中身で判断してください。厚いほど、そして中に空気だけでなく素材が詰まっているほど、断熱は効きます。
具体的に、どう重ねるか
①いちばん下に、銀マット
地面のでこぼこを平らにして、下からの冷えを止める役割です。
銀色の面を上に向けて敷きます。
安くて、軽くて、丸めるだけ。
これを1枚足すのが、いちばん費用対効果が高い方法です。

②その上に、厚みのあるマット
厚さが8〜10cmあると、地面のごつごつも感じません。
自動でふくらむタイプなら、バルブを開けて放っておくだけで準備が終わります。
厚みのあるマットにすると、10月の夜の背中の冷えがぐっと減ります。
寝心地も家の布団に近くなるので、子どもも寝つきやすくなります。
空気だけのエアーマットに注意
中が空気だけのマットは、ふかふかですが冬には向きません。
中の空気が動いて、熱を運び出してしまうからです。
冬に使うなら、中にスポンジが入っているものを選んでください。

③地面から離れる、という手もある
マットを重ねるかわりに、ベッドの形にして地面から浮かせる方法もあります。
地面から30cmくらい上がると、冷えの伝わり方がまるでちがいます。
ただし、下を風が通るので、上に敷くマットは結局必要です。
腰が痛くなりやすい人には、これがいちばん効きます。
🏕 テントの床の上に、もう1枚
マットの話をしてきましたが、テントの下にも1枚あると効きます。ここは見落とされがちです。
グラウンドシート(テントの下に敷くもの)
- 地面の湿気を止めます:冬は地面から水蒸気が上がってきます。これがテントの中の結露を増やします
- 底の傷を防ぎます:石や枝からテントを守ります
- 断熱にもなります:ごくわずかですが、ないよりは効きます
👉 専用品でなくても、ブルーシートや、厚手のレジャーシートで十分です。ただしテントより小さめに敷いてください。はみ出すと、そこに雨水がたまってテントの下に流れこみます。
テントの中にも、1枚
テントの床(インナーの底)の上に、ラグやカーペットを1枚敷くと、寝るとき以外の時間が快適になります。
- 座ったときに冷たくありません:着替えや荷物整理の時間が変わります
- 子どもが遊ぶ場所になります
- 底冷えが和らぎます:マットを敷いていない場所にも効きます
👉 順番としては、地面 → グラウンドシート → テントの床 → ラグ → 銀マット → 厚いマット → 寝袋。層が増えるほど、地面の冷えは遠くなります。
👎 ただし、層を増やすほど荷物も増えます。全部を最初からそろえる必要はありません。効く順は①厚いマット ②銀マット ③グラウンドシート ④ラグです。上から順に足していってください。
季節ごとの「重ね方」早見表
| いつ | 下から順に | 合計R値の目安 |
|---|---|---|
| 10月(平地) | 銀マット+インフレーターマット | 3前後 |
| 11月(平地)・10月(高原) | 銀マット+厚めのインフレーターマット+毛布を下に | 3〜4 |
| 12〜2月 | グラウンドシート+ラグ+銀マット+厚めのマット(電源サイトなら電気毛布も) | 5以上 |
👉 マットを敷く前に、テントの下になる場所の小石や枝を拾っておくのも大事です。小さな石1つでも、背中に当たると眠れませんし、エアーマットやテントの床に穴をあける原因になります。設営の前に、家族みんなで1分だけ「石拾い」をしてみてください。子どもに頼むと、宝探しのように手伝ってくれることもあります。
📐 マットは3種類。性格がまったく違います
R値の話をしましたが、実際に選ぶときは種類ごとの性格も知っておいたほうが失敗しません。
① クローズドセルマット(銀マット・折りたたみ式)
- ◎ 絶対にパンクしません:これが最大の強みです
- ◎ 広げるだけで使えます:設営が10秒で終わります
- ◎ 安いです:数千円から
- ✕ かさばります:たためないので、車の積載を圧迫します
- ✕ 寝心地は硬めです:地面の凹凸をそのまま感じます
② インフレーターマット(自動膨張式)
- ◎ バランスがいちばんいい:秋冬キャンプの主力はこれです
- ◎ 中にウレタンが入っているので、穴が開いても即ぺしゃんこにはなりません
- ◎ 寝心地がいい:厚さ5cm前後なら、地面をほとんど感じません
- △ バルブを開けて数分待ちます:完全にふくらむには、口で数回息を足すことが多いです
- △ 収納にコツが要ります:空気を抜きながら巻かないと、袋に入りません
③ エアーマット(空気だけ)
- ◎ いちばん軽く、いちばん小さくなります:登山や自転車キャンプ向き
- ✕ 中が空気だけだと、断熱しません:空気は動くと熱を運びます。冬用には、中に断熱材や反射膜が入ったものを選んでください
- ✕ 穴が開いたら終わりです:夜中にぺしゃんこになると、地面に直接寝ることになります
- ✕ 動くと音が鳴るものがあります:静かなサイトでは気になります
👉 迷ったら、①の銀マット+②のインフレーターマットです。R値が足し算できるので、この組み合わせが安くて確実です。
🛏 コットは、それだけでは暖かくなりません
「地面から離れる」という手を挙げましたが、ここには大きな落とし穴があります。
コットの下は、冷たい空気の通り道です
地面から10cm離れたところに、布1枚で寝ることになります。その下を、冷たい空気が自由に流れます。地面の冷えは防げても、こんどは下から風が当たります。
👉 コットを使うなら、その上にマットを必ず敷いてください。「コットにしたのに寒い」という話は、ほぼこれが原因です。


- コット+インフレーターマット:これが冬のいちばん快適な組み合わせです
- コット+銀マット:これだけでもかなり違います
- コットの下に荷物を置く:風の通り道をふさぐ効果があります
それでもコットが優れている点
- 地面の凹凸がまったく関係なくなります:石ころだらけのサイトでも快適です
- 地面が濡れていても平気です:雨のあとや、朝露の多い日に強いです
- 起き上がるのが楽です:腰への負担がまったく違います
- 下が収納場所になります:狭いテントで、これは大きいです
👎 弱点は、重くてかさばることと、テントの中で場所を取ることです。家族4人ぶんとなると、車に積みきれないことがあります。
🔧 マットは、行く前に一度ふくらませてください
冬のキャンプで、マットが使えないのは致命的です。予備の暖房はあっても、予備のマットはありません。
出発前にやる3つ
- 家でふくらませて、1時間置く:しぼんでいたら、どこかから漏れています
- バルブを確認する:ここのゴムパッキンが劣化していることがいちばん多いです
- 補修キットを持っていく:多くの製品に付属しています。これをマットの収納袋に入れておいてください
穴の見つけ方
ふくらませて、石けん水を薄く塗って泡が出る場所を探します。家の風呂に沈めるのがいちばん早いですが、そのあとしっかり乾かしてください。
👉 見つけたら、乾かして、付属のパッチを貼ります。現地で応急処置するなら、ガムテープでも一晩はもちます。冬の夜に、それで助かることがあります。
保管も、ふくらませたままがいいです
インフレーターマットは、バルブを開けたまま、ふくらんだ状態で保管するのが正解です。丸めたままだと、中のウレタンがつぶれて、自動でふくらむ力が弱くなります。
👉 ベッドの下や、クローゼットの隅に立てかけておくだけで構いません。次のシーズンのふくらみ方が変わります。
ECo家のインフレーターマットは、5年たって…

買って5年たったインフレーターマットは、自然にはふくらんでくれなくなりました。それでも、息を吹き込めば高級マットです(笑) ふくらんだマットを見た子どもたちの「すげー!」の顔で、父の威厳が保てます。
別のマットは、表地がビリビリはがれて、水ぶくれのようになってきました。最近は家でも使っていたので、寿命かもしれません。空気は漏れていないので、バルブは長持ちしています。
👉 自動でふくらむ力は、年数とともに落ちていきます。「時間がたってもふくらまない」は、すぐに買い替えのサインではありません。口で数回息を足せば使えます。買い替えを考えるのは、空気が漏れるようになったときや、表地がはがれて寝心地が変わったときです。
🔌 電源サイトなら、マットの上に電気毛布を「敷く」
マットで地面の冷えを止めたら、その上に電気毛布を敷くと、下からの冷えはほぼ気にならなくなります。
冬は地面が冷たいので、電気毛布を敷くのが一番簡便で暖かいと感じています。寝袋の上に電気毛布を掛けるのは、むずかしいんです。
- 順番は、マット → 電気毛布 → 寝袋:マットがないと、電気毛布の熱まで地面に逃げます
- 温度は低めから:寝入ったら弱にするか切ると、低温やけどを防げます
- コードは寝袋の足元側から:寝返りで引っかけないようにします
電気毛布の使い方は 冬キャンプの電気毛布はマットの上へ!!(11/10公開予定)、電源サイトがないときの電気は 冬キャンプの電気は何が使える??(11/16公開予定) でまとめます。
👨👩👧 家族ぶんを、どうそろえるか
4人家族なら、マットも4枚要ります。全部を良いものにすると、かなりの金額です。
優先順位をつけます
- いちばん寒がりな人から:家族の中で、毎回「寒い」と言う人がいるはずです。そこから
- 小さいお子さん:体が小さいぶん冷えやすく、寝相でマットから落ちます。大きめのマットか、2枚並べて隙間を作らないのがコツです
- 大人は、あとからでも我慢がききます
全員ぶんを一気にそろえない方法
- まず全員に銀マットを:数千円で4人ぶんそろいます。これが土台です
- その上に足すマットを、1年に1〜2枚ずつ:一度に買わなくて大丈夫です
- 子ども用は、大人用を半分に切るという手も:クローズドセルマットなら、カッターで切れます
👉 家族全員が寒くないことが、次も行けるかどうかを決めます。誰か一人が眠れない夜を過ごすと、その人はもうキャンプに行きたくなくなります。装備の中で、マットはいちばん「家族の同意」に効く道具かもしれません。
お金をかけずにできること

- 家にあるヨガマットを下に足す
- ダンボールを2枚、寝袋の下に敷く
- 使っていない毛布を、上ではなく「下」に敷く
- 荷物のバッグを足元に置いて、そこに足を乗せる
とくに毛布。
上にかけるより下に敷くほうが、暖かさがはっきり変わります。
ここは一度ためしてみてください。
❓ 冬のマット、よくある質問
Q. R値が書いていないマットは、どう選ぶ??
厚みと中身で判断します。薄い銀マット(5〜8mm)は夏用、厚手のウレタン(15mm以上)で秋、インフレーターマット(5cm前後)で晩秋から冬のはじめが目安です。真冬は、どれか1枚ではなく2枚重ねを前提に考えてください。
Q. 銀マットは、銀色の面を上と下、どっち??
銀色の面を上(体の側)に向けて敷くのが一般的です。体から出る熱を反射して、体に返してくれます。製品によって説明が違うこともあるので、パッケージの表示があればそちらに従ってください。
Q. 子どもは大人と同じマットでいい??
同じもので大丈夫ですが、子どもは寝相でマットから落ちます。2枚を並べてすき間をなくすか、大きめのマットを横向きに使うと、朝までマットの上にいてくれます。
Q. 雨のあとの濡れた地面のときは??
テントの下のグラウンドシートをテントより小さめに敷くのが、いちばん効きます。はみ出したシートは雨水を集めて、テントの下に流しこみます。床に水がしみてきたら、マットの下にもう1枚、レジャーシートを足してください。
Q. コットとマット、先に買うならどっち??
先にマットです。コットは地面から離れるぶん、下を冷たい風が通るので、結局マットが必要になります。マットだけでも冬の底冷えはかなり止められますが、コットだけでは止められません。腰が痛くなりやすい人は、マットをそろえたあとにコットを足してください。
Q. マットは何年くらいもつ??
使い方しだいですが、インフレーターマットは数年たつと自動でふくらむ力が落ちてきます。空気が漏れなければ、息を足して使い続けられます。表地のはがれや空気漏れが出てきたら、買い替えを考えるタイミングです。銀マットは、つぶれて薄くなってきたら替えどきです。
まとめ
- 寝袋の背中側は体重でつぶれて、働いていない
- マットのR値は、10月なら2〜3、真冬なら5以上
- R値は重ねると足し算できる
- 銀マット+厚手マットの2枚重ねが基本
- 空気だけのエアーマットは冬に向かない
- 毛布は、かけるより下に敷くほうが効く
寝袋を買い替える前に、まず下を1枚。
これで10月の夜はずいぶん楽になります。
次回の冬支度②では、テントの中の温度そのものを上げる話を書きます。
これからもECOutdoor!!では、皆さんにとって楽しく、役に立つような情報を発信したいとおもいます!!
皆さんがより楽しく、Ecoなアウトドアライフのお役に立てれば幸いです。では!
🏕 ECoとはちがう目線の、家族のキャンプや自転車通勤のブログも読んでみたい方は、にほんブログ村からどうぞ 👉 ファミリーキャンプ/クロスバイク/自転車通勤・通学
(別のタブで開きます。読み終えたら、またECOutdoor!!にも戻ってきてくださいね)
関連記事もぜひチェック!!
👉 3シーズン寝袋はいつまで使える?? 👉 冬支度②冬キャンプ、はじめる前に!!(11/8公開予定)


